旅行記録
2019年5月 中国(蘭州、銀川)
2018年3月 ベトナム(ファンティエット)
2016年12月 ラオス(ルアンパバーン)
2015年11月 台湾
2015年9月 マルタ
2014年7月 ウズベキスタン
2013年9月 中国(蘇州、上海)
2010年2月 ミャンマー
2008年12月 トルコ(イスタンブール)
2007年9月 イラン
2006年9月 ルーマニア、ブルガリア
2005年9月 ベトナム、カンボジア(アンコールワット)
2004年9月 インド
2003年7月 スリランカ
2002年9月 チェコ、ハンガリー
2001年7月 ベトナム(ハノイ、ホイアン)
2000年9月 中国(新疆ウイグル自治区)
1999年9月 タイ
1998年9月 ベトナム(ホーチミンシティ、フエ)
5日目 2007.09.21
イスファハン
◆スィーオセ橋
朝いちばんに橋を見に行く。17世紀初頭に完成された橋。どこもガタがきていないし、とても奇麗。橋のたもとにチャイハネがあって賑わっている。人がひっきりなしに往来していて活気がある。おなじ日の夜にも夜景を見に行ったら、夕涼みのイラン人でごったがえしていた。
◆バンク協会
アルメニア系の教会。イランにはアルメニア人が多く住んでいて、こういう教会がいくつもあるらしい。知られていないがアルメニア人はユダヤ人に並ぶ商業の民で、広い地に散らばっているのです。
ここは唯一観光客の来訪を許している教会。静かな教会だった。
中はきらびやかなイコンがびっしり描かれている。ルーマニアなどでもそうだったけれど、キリスト教会では教会内は写真撮影禁止。イコンなどの保護のためかと思ったが、おなじく手書きの美しい絵がびっしり描かれているチェヘル・ソトゥーン宮殿は撮影禁止ではなかった(フラッシュは禁止)し、モスク内部も禁止ではない。国による違いではなく、宗教による違いのようだ。
◆シェイキング・ミナレット
「シェイキング」は英語の shaking。なにをシェイクするのかというと、名前のとおり、ミナレットをシェイクするのである。写真の塔におじさんがのぼって、張り手なみに壁をぐいぐい押すと、そこから周囲に揺れが広がってミナレット全体が振動するという、建物を破壊しているとしか思えない荒技なのだ。塔がぐらぐら揺れて、いまにもぽっきり折れそうなのが恐ろしい。いまは時間を決めて一日に何回か見せるだけなのだが、昔は観光客が自由にのぼって思う存分揺さぶっていたらしい。
◆公園とゾロアスター教施設の廃墟
イランにはきれいに整備された公園があちこちにあって、ここもそのうちのひとつ。中央には澄んだ水の池があり、お約束の噴水があり、周囲に緑をふんだんに配している。で、休日のカップルが公園で散策し、家族連れがお弁当をもってこの山にピクニックにいく*1のである。
◆マスジェデ・ジャーメ
ガイドブックなどには「金曜モスク」とあるが、これはよく似た言葉のとりちがえで、正しい意味は「みんなのモスク」だ、とガイドさんが説明。日本では「金曜モスク」で定着しているけれど、もし「みんなのモスク」が正解だとしたら、書き換えなければならないものが沢山あるのでは...。
足を踏み入れたときは「広い! すごい!」と感動して写真を撮りまくったが、写真に収まるサイズなんてイランではたいしたことがない、ということを知るのは翌日まで待たねばならなかった。
ラマダン中なので、絨毯が敷き詰められている。普段は絨毯がなく、中に入れるそう。
こんなふうに石が置いてあって、自由に使えるようになっている。
街中のようす
午後はツアーでやっと初めてで唯一の自由時間。街をぶらぶら歩くものの、ラマダンで買い食いもできず、飲食店はかたく扉を閉ざしているし、残念。それでもお菓子をいくつか買う(シュークリームと求肥に似たお菓子。どちらも美味でした)。人気のある店はラマダン用のお菓子を買うイラン人で行列していた。
陽気なナン焼き屋さん。わざわざポーズを取ってくれたり、ナンを投げる派手なアクションを見せてくれたり。で、買いにきたのか通りがかったのかそれだけが目的で来たのか、お店の人ではないおじさんたち2〜3人がお店の人と延々立ち話をしていたりする。
◆夜のチャイハネ
*1:比喩ではなくて、ほんとうにこの岩山をぞろぞろ登っていた
4日目 2007.09.20
ヤズド
イラン旅行を計画していたときにはヤズドは行かずともいいと考えていた。しかし来てみると面白い。街は採風塔が林立して独特の景観。沈黙の塔は教科書の写真で見た通りではあったものの、その裾野に広がる葬儀施設の廃墟とあいまってもの寂しい雰囲気がよく出ている。
◆ゾロアスター教寺院
お昼ご飯
ここで食べたお昼ご飯はとても美味しかった。ツアーで連れていかれたので、レストラン名はわかりません、残念。古い民家を改装したレストランで、靴を脱いでくつろいで食べらるのもよかった。中庭に置いてある大きなサモワールも雰囲気満点。
キャラバンサライ
とは隊商宿のこと。砂漠のなかにぽつんとある。ひとつは17世紀頃のもの、もうひとつは15世紀頃のものが並んで建っている。内部を写したのは17世紀頃のもの。人が住み着いていて、中庭には家畜を放しているせいで糞だらけだった。でも本で読んでいたことを実際に目で見ることができて興味深い体験だった。通常のツアーでは多分寄らないのでガイドさんに感謝。
窪み1カ所に1組が寝たらしい。夜は冷え込むので必需品のストーブ。
夜にイスファハーンに到着。川を越えない場所にあるもののやや中心から外れたホテルで、近代的な内装が素っ気ない。ここでもキングサイズと普通サイズの2ベッドルームで、もちろんキングサイズに寝ましたとも。
3日目 2007.09.19
シーラーズ
◆エラム庭園
詩人の街といわれるシーラーズにある、薔薇が咲き誇る美しい庭園。楽園をあらわす水路に水がふんだんにあり、緑と花が色濃く溢れていて、息苦しいほど。
建物の装飾も手が込んでいて、中もさぞかし見事なのだろうと思われるが、残念ながら内部は公開していない。
ペルセポリス
出発前はここが一番の目的だった。
ペルセポリスへのアプローチ。きれいに整備されている。
いつもならここにアイスクリームの屋台が出ているらしいのだが、ラマダン中なので1軒もなくがっかり。売店らしきところも半分以上閉まっていて、まったく閑散としている。それでもイラン人観光客はいた。
◆パサルガダエ
修復工事中でした。写真はflickrで。
小さな村のモスク
シーラーズからヤズドへ向かう途中に立ち寄ったモスク*1。夕暮れのなか、ぽつぽつと明かりが灯され、人々が三々五々集まってきて、敷物の上に食べ物を広げて、これからラマダンの夜を過ごそうと楽しげに家族団欒している。旅の中でも印象に残った。家族と信仰を大切に、誠実に生きているように見える。
ホテル
中庭があるホテル。いかにもな伝統家屋風の設え。なんと3ベッドの部屋を一人で独占。太っ腹すぎる。
夜涼しくて気持ちいいので、薔薇の咲き誇る中庭で涼む。ツアー同行のご老人方はまったく外に出てこない。もったいない。
左側にあるのが、お祈りのときに使用する1人用絨毯。その上に載っているのが、お祈りのときに額を接するようにして使う石(?)。モスクに行くと、この石が沢山用意されている。自分で持って歩く人もいるし、モスクやホテルのを借りて使う人もいるらしい。
*1:トイレをお借りした。そのトイレが清潔で掃除が行き届いていて、人々の信仰の篤さと、清潔好きの性格に気づいた
2日目 2007.09.18
朝ごはんを食べていると、鼻にガーゼや絆創膏を貼った女性を見かける。あんなところに怪我をしてかわいそうに、鼻を骨折とかしたのかしら、恐ろしくて痛みの想像もつかない。などと同情していたのだが、それはイランで大流行りの整形の後らしい。鼻の整形については誰も隠すこともなく堂々としている。それに、技術もたいそう高いそうな。
ホテルからみたテヘランの街並。常に空がぼやっと煙っている。大気汚染なのか、砂塵なのか、両方なのか。
チャイ
某お宅にお邪魔してチャイをいただいた。新築の奇麗なおうちで、広い絨毯が敷いてあって、靴を脱いでお邪魔する。くつろげる。それにしても、一般家庭に30客からのカップとソーサーが揃っているあたり、さすがはイランである。
1日目 2007.09.17
出発
13時台発の予定が、1週間前になって15時台に変更されたので、少し遅れるかなと思ってたが、ツアー集合時間の13時に行ってみると、その時点ですでに17時にディレイ、機体は未着。やってくれる、イラン・エアー。幸いなことにミールクーポン1000円分を出してくれるというので、ホットケーキセットなどという蕩尽をして時間をつぶす。
結局出発は20時半である。時刻表からじつに約7時間の遅れ。しかしこれでも先週出発組*1よりも早いというのだから、時刻表などあってなきがごとし、始めから18時出発くらいにしておいて、ちょっと遅れればいいものを。しかも、国内便はさほど遅れないのだからどういうことだ。
経由地インチョン空港に到着すると、空港内の店は全部閉まっている*2。とてもきれいな空港で感心した。こんな空港なら、韓国にも来てみたいものだ。
世界で同種機体は既に国際線から退いているのにイラン・エアーが唯一使用しつづけている珍しい機体。
韓国からの搭乗客は案に違えて韓国人はほとんどおらず、福岡発の日本人客や、ちょうど韓国でやっていたなにかスポーツのイベント*3の出場選手団が乗り込んできた。この選手団、若い男女なのでどこの学校の生徒かと思うほどに、それはそれはおおはしゃぎだし、頬を染めながら男女の友好を深めていた。この選手団の女性はみんなスカーフをしていたのは公式に派遣されててお目付役がいたからだと思う。というのは、他に日本から帰国したとおぼしきイラン人女性たちは、着陸直前になってスカーフをしだした。
選手団の出迎えで空港は歓迎の嵐、人でごったがえしてて満足に前にも進めない。入国審査を終えたら荷物をひきとる前に整列してフラッシュを浴び、インタビューを受け、花輪攻めにあい、とたいへんなこと。金メダルやら銀メダルやら、たいへんな活躍だったらしい。聞くところによると、ボートの選手とのこと。
そんなこんなでホテルに到着したのがだいたい現地時間午前5時。部屋に入ったのが5時半ころ。これから仮眠して、翌日出発である。
ああエミレーツに乗りたかった。エミレーツにしておけば、乗り換えてもむしろ早く、予定通りに着いたはず。なぜにツアーは不確かな旗艦航空を使うのか。
とはいえ、今回の大番狂わせはこれだけだったので、まあ話の種として忘れよう。ちなみにイラン・エアーのディレイっぷりは常態化しているので、定刻通りに出るなどとは夢にも思わない方がいいようです。とはいえ国際線にあえて遅れて空港に行く勇気もなし...。
予習
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初のイスラム圏だけど服装などよくわからないし、今回は準備時間をとれない見込みだったので、ツアーを選択することにした。
イスラム教についても勉強してみる。
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歴史的事実がどうであったかよりもコーランにどう書かれているか、それをムスリムがどう受け止めているかといった立場で筆が進んでいくので、人によっては客観性に欠けると思うかもしれない。けれども、つまりムスリム側としてはこういうふうにムハンマドを慕い、敬い、アッラーを考えているのだな、ということが幾らかでも感じられて、私にとっては得るものがあった。
山川の歴史教科書以上のことは知らなかったムハンマドとイスラム教について、多少の理解を得た気分になった。読みやすく入門書としてはおすすめ。
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イランの記憶をもとに、あとで読み返してみよう。
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鈴木紘司氏が揶揄している高名な作家のエピソードがあとがきに書かれている。
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これを元にした壁画など多数ありました(人物も描いてなにが悪いとばかりに堂々と描かれているのがペルシアらしい)。ただ3分の1程度しか読み終わらず、壁画を見ても理解できるまでには至らず。残念。
意外と読みやすくおもしろい。
ペルシア文学としてはオマル・ハイヤームの『ルバイヤート』などもありますが、これはとりあえずパス。そもそも詩を翻訳で読んでも意味はないと思っているので、教養として内容を知っておくか、という気持ちになってから読むつもり。
今回のイラン人ガイドに『王書』や『ルバイヤート』の日本語訳があるよと言ったら、ちゃんとした詩になっているのかを聞かれた。いろいろな本でも書かれているように、イラン人の詩への愛着はなるほど日本人の想像以上のものがある。
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キアロスタミの話は興味深い。
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革命前か後かよくわからない。著者は在フランス。「ペルセポリス」も読んでみたいのだが。
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実際に現地でおいしいご飯を食べてきたので読むのが楽しみ。