2日目

raisin2006-09-15

朝早く起きて24時間営業のスーパーに朝食を買いにいく。アムゼイ広場(Piata Amzei)に面している。この広場では朝市も出ていて、そちらで野菜や果物を買うこともできる。
パン、りんご、ヨーグルトなどを調達。りんごやネクタリンなど、フルーツがおいしい。パンはまったくおいしくない。スーパーのパンだからか。ルーマニアのパンは激ウマだと聞いていたのだが。ヨーグルトも%表示の低いものを買ったら日本のものと大差ない、ゼラチンで固めたっぽい味。

鉄道切符の購入に悪戦苦闘

今日は午前中に鉄道切符の手配を済ませておかなければならない。
明日のブカレスト→スチャバの特急、18日のスチャバ→ソフィアの寝台国際列車、そして本日のシナイアへの切符。
切符を買ったらそのままシナイアへ行く予定で、ブカレスト・ノルド駅へ行く。切符発売所は駅正面の右手と、昨日出迎えの人に教えてもらっているので迷わず行けた。まずはスチャバ行き。プリントアウトしてきたCFRの検索結果ページを見せて無事購入。
次にスチャバ→ソフィア。国際線は別窓口とのことで、駅正面に近い券売所の1番窓口へ。ところがこの切符は売れない、という。何故と聞くと面倒になったのか、旅行代理店へ行けと言われる。行ってみるとそれはIbisホテルの横にある、CFRの街中券売所。そこの国際線カウンターのおばちゃんは英語がしゃべれるのだが、やはり「ブカレストからしか列車はない」「これはセパレートでしか売れない」と言われる。どうやら車両が違うらしいことは分かったのだが、それならブカレストで車両を移ればいいだけの話かといえば、それも怪しい。
問題の列車は前日の夕方にキエフを出て、翌々日早朝にブルガリアの首都ソフィアに着くという、バルカンの数カ国を経由する列車。スチャバを12:23に出て、19:26にブカレストを出る。
じゃあセパレートで切符を買うか。まずはブカレスト発ソフィア行き。これは国際線。次にスチャバからの切符を買おうとすると、それは国内線カウンターへ行けとのこと。まあそうだろう。ところが12:23スチャバ発の列車は、19:58分着の列車しかないという。それでは間に合わない。というか、どういうシステムになっているのか、やっぱり分からない。おまけに国内線担当のおばちゃんは英語が数字くらいしかしゃべれない。結局ブカレスト以前の列車にルーマニア国内で乗るのは難しいようだと考え(トマスクックにもそんなことが書いてあったし)、予定を早めて7:24スチャバ発14:06ブカレスト着の特急に乗ることにする。


さて急いで駅まで戻り、シナイア行きの列車に乗る。指定席はもうないとのことで、立ち席券(2Lei安くなる)を持って11:30発特急に駆け込む。とりあえずお昼は着いてからだ。トイレ付きのものすごくきれいな列車なのだが、たったの2両編成。
ルーマニアの鉄道の面倒なところは、予約切符は前日までいつでも買えるのに、当日は1時間前からでないと切符を発売しないことだ。朝のうちに買っておいて、夕方の列車に乗るということができない。1時間前に行って、しかも買えるかどうかわからないなんて、不便きわまりないと思うのだが。

シナイア Sinaia

約1時間半でシナイア到着。大きな駅だが、外は殺風景。他の観光客らしい人たちの後をついて階段をのぼっていく。お昼を食べたいが、きっとペレシュ城の側になにかあるだろうとどんどん山を登る。しかしこの判断は間違っていた。カロル1世通りのあたりにしか、そんな店はないのだった。『歩き方』の地図を片手にちょっと道に迷って、なんとか城まで着く。いい加減空腹だったが、城の側のカフェテリアで甘いだけのケーキとコーヒーをお腹に入れる*1。城はツアー形式での見学とのことなので、チェコの轍を踏むまいと焦っていたのだ。*2
しかしツアーは随時行われていて、15分ほどの待ち時間で入れる。19世紀の建立なので内部は古びておらず、きれいなままだ。全体的にこぢんまりとしたスケール感。日本人に親しみやすいのは、木造部分が多いためか。チェコハンガリーの中世期から建っているような城と比較するのは間違っているかもしれないが、あちらは石造りで寒々しく、また洗練されているとは言えなかったが、こちらはもう少し暖かみがある。都会的というよりは、近代的と言うべきなのだろうけれど。
内部の写真撮影は不可。
飾ってある絵がどれも巨匠の絵画のコピーばかりなのが、辺境の国主のコンプレックスを表しているのか。とにかくふんだんに金をかけているのは伝わってくるし、小さなお城としては見応えがあるのだけれど、イギリス人に「どれもコピーばっかじゃん」と言われちゃうのも仕方なしか。
城の庭にめちゃくちゃ可愛い子犬がいた。


  

激甘のケーキ


日没前にブカレストに戻りたかったのでペリショール城をパスしてシナイア僧院へ向かう。
どこの僧院もそうなのだが、庭や窓に色とりどりの花が植えられていて、とても可愛らしい。とくに薔薇が多く目につく。薔薇なのに過剰な感じはせず、むしろ素朴な印象を受けるのは不思議だ。
快晴に高原のさわやかな空気があいまって気持ちいい。
僧院や教会の内部の撮影はどこも不可。


  

やっと美味しいパンにありつく

ICを待つあいだ、カルロ1世通りの東端にある公園でパンを買って食べる。パイ生地に、レーズンとおそらくチーズが入っているもので、これがとても美味しい! 文字で読むとチーズの味が勝ちそうに思うのだが、実際は濃厚な食感が残るだけで、レーズンの酸味とうまくあう。焼きたても美味しいし、冷めてもいける。ルーマニア滞在中、これがあれば食べていた。


17:48発のインターシティ(IC)で、行きの特急よりも高いのだが、車両がボロい! コンパートメントタイプとそうではない席とが混在していて、自分たちの席を探すのに右往左往していたら、乗客が教えてくれた。有り難い。ちょっとし大親切をちょこちょこ受けている。気軽に隣に座った人と話をするような社会だからか。自分が物心ついたくらいの子供の頃の日本みたい。
ブカレストに戻り、本屋に寄ったりしていたらどんどん時間がたつ。レストランに入るとまた時間がかかるので、ファストフードの Spring Time でさっと済ませる。この店のセルフのサラダは、酢漬けの野菜が豊富でよかった。
明日の朝食を仕入れたかったがその時間もなかった。


 アテネ音楽堂

支出
両替 150EUR


朝食 
切符:地下鉄(2回券2枚) 4Lei
切符:ブカレスト→シナイア(R) 23.1Lei
切符:シナイア→ブカレスト(IC) 28.1Lei
切符:ブカレスト→スチャバ(R) 53.5Lei
切符:スチャバ→ブカレスト(R) 53.5Lei
切符:ブカレスト→ソフィア(2等寝台) 122.94Lei
ペレシュ城入場料 12Lei
カフェ:チョコレートケーキ、カフェオレ 4.8Lei
パン2個 2Lei
ネットカフェ 1.05Lei
ルーマニア語の地図 12Lei
晩ごはん2人分 18Lei

*1:紅茶を頼もうとしたら無いと言われた。ここに限らず、多くの店で、メニューが切れていることが多かった。

*2:バスを乗り継いで11:30頃に着いたら、「もう昼休み前のツアーは受付が終わってて、次は昼休み後の13:30からのドイツ語ツアーか、14:00からのチェコ語ツアーになるけど」「英語のツアーは?」「今日はもうないわ」ということでドイツ語ツアーを予約して、近くの高級ホテルのレストランでその旅でもっとも高いご飯を食べた。そしてツアーを終えて山を下りてみたら、次のバスまで2時間もあった。余談だが、その超高級レストランにいた他の客は日本人壮年グループだった。日本円でも相当なビールやワインをがんがん飲んでいた。