7日目

raisin2006-09-20


バチコヴォ僧院

郊外の山中にある修道院へ午前中に行き、午後は市内観光。
フロントでタクシーを手配してもらい、往復で2人あわせて45Lvになる。『地球の歩き方』では25Lvなので、30Lv台まで下げたかったのだが、友人がすぐに「OK」と答えたため交渉打ち切り。
プロヴディフから29kmらしいので30分くらいかと思いきや、途中から山道なので片道40分以上かかる。バスだとかなり時間がかかるのではないか。運転手は陽気なおじさんで、途中にある古い砦だとかを指し示してくれるのだが、英語らしき言語の訛りがひどく*1、なんとなく察するしかない。
僧院に着くと車を降りて中の案内もしてくれた。写真を撮っていいよ!と強く薦めるので、ブルガリアは僧院の写真は大丈夫なのかと思ったら、「No Photo」の大きな張り紙が。ニコニコして、撮れ撮れ、一緒に写してやる、と親切なのは結構なのだけれど。
芸術面でリラの僧院に次いで優れた場所だとあるのでかなり期待して行ったのだが、規模がまったく違う。とてもこぢんまりとした僧院。朝なので観光客もまばらだったが、ここが団体客でごったがえしたら、とてもイコンの鑑賞どころではなかろう。あっという間に見終わる。しかし山の中の修行の場として、静謐な空気をもった、いい場所だと思う。
僧院を後にした時点で、ほとんどの土産物店は開店準備を始めたくらいの時間帯。


 
駐車場に人なつこい犬。


メモがなく不確かな記憶だが、8時半くらいに出発して、10時半くらいに戻ってきたように思う。

ミュージアム・ハウス

ここで、ミュージアム・ハウスのある丘の一帯はそれほど複雑でもなく、スムーズな道順があり、中が見られる家の数もほぼガイドブックにある通りだと分かった。


■民俗博物館
入場料 5Lv/カメラ持ち込み 4Lv
建物の正面が絵はがきにもなっている、立派なお屋敷。建物自体も見応えあり。ガイドブックによれば「バロック様式」と「民族復興様式」が混在しているらしいが、「民族復興様式」がどんなものなのかが分からない。トルコに何度も行っている友人に写真を見せたら、トルコの様式によく似ていると言っていた。しかもこの屋敷の建築主は「イスタンブール出身」なのだ。もとより文化的な交流は古くからある両国なので、いちどきちんと知りたいものだ。
中は古い衣装や民俗遺産を展示している。もちろん、おもにプロヴディフのもの。
  


■ヒンディアン・ハウス
入場料 3Lv
ここで共通券が買いたいと受付に申し出るが通じず。壁に貼ってある料金表を指差しても「スリーレヴァよ」と言い張る。仕方なく通常の入場料を払う。
金持ちのお屋敷らしく、意外に中のつくりは広い。応接室ではなく、女性や使用人用(?)の部屋などが興味深い。どの部屋も天井が凝っているのがまた見応えあり。
ブルガリアのこの手のお屋敷は、1階が広い玄関ホールになっていて、2階に応接室などがある。このヒンディアン・ハウスは、各部屋の色も異なっていてとても凝っている。
ただ、立派なお屋敷なのだが、木造なのでやや老朽化を感じさせる。ブルガリアは木造文化なのだなー。
 
 
  


昼食
民俗博物館の近くにあるJanetで。
お高めの金額。
奥の方から「中国人だ...」みたいな言葉が聞こえてきてちょっと嫌な感じ。接客自体はきわめて普通だったが。
煮込み(豚、たまねぎ、マッシュルーム)、ショプスカサラダ、パン
チーズの独特の臭みにあきあきしていたので、豚肉に飛びついた。途中で飽きたけれど、なかなか美味しかった。


■歴史博物館
残念ながら改装のためしばらく閉鎖。仕方なく正面だけでも写真を撮ろうとするが、うまく収まらない。


■バラバノフ・ハウス
共通券 9Lv
ここでやっと共通券を買えた。「共通券」という名前のものはなく、1回券を3枚くれる。つまり、3カ所行ってチケットがたまったら、他もタダで入れるってことでは? 受付のお姉さんがキツい口調で「あなた英語分かるの?!」と聞くので「はあ、まあ」と答えたらとたんに対応がにこやかに。なんだそりゃあ。
1階は現代美術の展示がメイン、古い屋敷の内装は2階に残されている。
  


■ネドコヴィッチ・ハウス
行くと門が閉まっている。押すと開くので鍵はかけていない。
いきなり狭い前庭にはキャンバスがあり、現代アートが並べられている。あれ、と思っていると、珍しく客が来たというふうに受付の人がやってきた。入場券を確認すると、家の灯りをつけてくれる。
他に誰もいない中、ゆっくりと鑑賞。さりげない豪華さと保存状態などで、今回の家のなかではもっとも気に入った。
  
 


■ボヤジエフ・ハウス
せっかく共通券を買ったので、行くつもりはなかったここにも。家は近代的な作りで、とくに面白みはない。玄関ホールの様式や部屋の配置方法は他の家とも共通するが、全体が白でまとめられた極めてモダンな装飾。
内容はブルガリア現代美術界の大御所Zlatyu Boyadjiev(作品1作品2作品3)の絵画を中心に集めたギャラリー。現代美術には関心が薄いのだが、大きなキャンバスに力強く描かれた農民を主体とした絵は見応えがある。時代が時代だけに、テーマは共産主義民族主義も感じられるのだけれど、私などには単純にかつてのブルガリア農村の生活が見られて、とても興味深い。旧支配者層に抗う民衆というよりも、ブリューゲルのような田舎の生活の楽しみと生命力を感じる。
絵はがきでもあれば買ってもいいかなと思ったが、まるで商売気がなく、ラックに山ほど売っている絵はがきはどれも向いの土産物店でも売っているものばかり。この画家ボヤジエフに関するものなど高い本が1冊くらいか。受付のおばちゃんはずっと電話をしていた。
個人的には掘り出し物的な場所でした。


■ローマの円形劇場
友達との約束の時間まで大幅に時間があまったのと、共通券があるので行ってみる。音楽学*2を通り過ぎ、坂をのぼり、太陽が照りつける場所に出る。周囲をぐるりと取り囲むようにカフェテリアがあって、そこはだいたい学生に占拠されている。遺跡の中で犬の散歩をさせている家族もあり、入場料はどうなっているのか?


■共通券
共通券が対象としている場所は5カ所。
バラバノフ・ハウス、ヒンディアン・ハウス、ボヤジエフ・ハウス、ネドコヴィッチ・ハウス、ローマ円形劇場。
このうち最後の円形劇場は入場せずとも外から見渡すことができる。
いちばん最初から共通券を買わないかぎりは、とくにお得ということにはならない。私は1カ所を3Lvずつ、つまり1回券を購入して入場したのこと変わりないことになってしまった。
始めにこのチケットを見ることができれば、この丘の見所も、地理もよく分かった。


■聖エレナ教会
旧市街中心からミュージアム・ハウスのある丘へ行く道の途中にある。


友人との待ち合わせまで時間があまったので、トンネルの上にある見晴らしのいいカフェに行く。聖エレナ教会向かい。
そうしたら、一人だけ別のフロアへ行けと言われるし、オーダーは遅いしで、非常に不愉快な思いをした。後から来た客も同じフロアへ通されたので、満席だったのは事実のようだったけれど、あまりに放置されすぎ。もう一人の店員には無視されどおし。
ともあれ時間があまりすぎていたので、ハガキを数枚書いて時間をつぶす。
もちろんチップは払わず。

旧市街中心部

イマレット・ジャーミヤに再挑戦するがまたも閉まっている。
ジュマヤ・ジャーミヤは飲食店が両脇にある非常に繁華な入り口であることを発見。北側にある木製の階段をのぼっていくと、モスク入り口が現れる。しかし内装工事中のため、階段から中をのぞき見るだけ。
郵便局へ行き、切手を購入。郵便局入り口(西面)を入って左手が郵便物の取り扱い。右手は貯金などか。
プロブディフに着いた日に探しまくっていたツーリスト・インフォメーションを郵便局の北隣に発見する。最近建ったらしくぴかぴかの建物。中もたいへんすっきりとしていて、パンフレット2種類くらいしか置いていない。どうやらなんでも係の人に聞かないといけないらしい。ということで、明日のバスの時刻を質問すると、バスターミナルにかけて調べてくれる。インフォメーションには時刻表などは置いていないもよう。
明日はリラの僧院最寄りの街、ブラゴエフグラッドへバスで行こうかと考える。結局リラの僧院に泊まるのは諦めて、21日の午後に行き、夕方はホテルに泊まり、22日に朝からソフィアへ移動すればソフィアの観光時間をたっぷりとれると算段する。
ブラゴエフグラッド行きのバスがあるかどうか、日本では結局調べがつかなかったのだが、ブラゴエフグラッドからプロブディフへ直行バスで行ったという記述を見かけたので、おそらくあるだろうと踏んでいた。もしなければソフィアへ行って、そこからツアーに参加するなりしてもいいやと思っていた。
結局、朝7時30分と13時30分との2本があることが分かる。
じつは朝のうちにホテルのフロントにもバスの時刻を調べてもらうのをお願いしていて、それも同じ時間だった。2カ所で聞いて同じなのだから、時間に間違いないだろう。
ホテル最寄りバス停からバスターミナル行きのバスを調べたいのでバス停へ行く。早朝だと暗いので、歩いて行くのは避けたいのだが、ラッシュアワーにそこそこ大きな鞄を持って乗り込めるだろうかと心配したり。なにより、バスの間隔が難しい。乗るべき系統番号はおよそ分かった。


いったん帰宿し、一休みしてから夕食へ。
レストランで時間をかけてたくさん食べるのも飽きてきたので、24時間営業のセルフサービス店へ。料理がわかりやすいし、サラダで野菜もたくさんとれるし、旅ではセルフ式のところは重宝する。
ここはふつうに美味しくて、安くて、良かった。内容はサラダ(豆が種類豊富、他はピクルス系だが美味しい)、じゃがいもと挽肉の重ね焼きみたいなもの、パン。友人がとったチョコレートケーキを一口。お腹いっぱい。
エフティミ通りPatriarh Evtimiy St.もしくはその1本北の通りにあります。


翌日のホテルを電話で予約し、朝7時半のバスではなく、13時半のバスで出発することに変更して就寝。


旧市街の街並
  
友人が買った布

支出
ハガキ 2.2Lv
切手10枚 14Lv
食品:ジュースとパン 5.2Lv
夕食 4.4Lv

*1:まあ訛りなんてお互いさまなんだけど

*2:古い建物を使って、旧市街の丘に点在する学校。雰囲気満点で羨ましい。