11日目
帰国日
この日の朝食には、「ブルガリアの伝統的な朝ごはんのバニチカを作ってあげるわ! 楽しみにしてて、寝坊しないでね!」と言われていたので、うきうきして起きたのだが、当の本人が寝坊して、さらに買い物に行ってみたけれど材料が揃わないからやっぱりやめ、ということになった。日本ならば前日に用意しておくのになあと思うのだが、私はこういうことにぜんぜん腹が立たないのだ。予約時からお願いしてあったとかならば腹も立つだろうが、生来いい加減な私は他人のいい加減さにも腹が立たないらしく、まあそんなときもあるよね、で済ましてしまえる。それに朝食は手作りジャムや自家製蜂蜜などが豊富にそろい、卵料理もあって、実はそれだけでもじゅうぶん美味しく満足なのだ。
ただバニチカの正体がわからないままになったのが名残惜しい...。
朝食後、出発まで朝市に行き、最後の買い物をする。
ルーマニアもブルガリアも、パプリカのピクルスがとにかく美味しいので、瓶詰めでもあったら買いたいものだと思っていたのだが、どうやらこれは各家庭で手作りするのがデフォのようで、売っていたとしても業務用かというほど大きなものしかない。私はやめたが、同行者はその大きいのを大事に日本に持ち帰った。ああもういちどブルガリアのピクルスが食べたい。
帰国
ホテルで呼んでもらったタクシーは英語はおぼつかないものの、この旅一番の良心的なタクシー。ガイドブックにある平均値よりもお安く行ってくれたし、親切だった。
支出
宿泊費 50.4Eur
エクレア 0.4Lv
スーパー Lv
タクシー1台 7Lv
お土産のミニクッション(空港) 10Lv
ミネラルウォーター(空港) 1.48Lv
10日目
観光
■アレクサンダル・ネフスキー教会
■地下イコン博物館
■民俗博物館
9月末まで改装工事で休館中だという。なんという間の悪さ。がっかり。写真は外観。左翼が民俗博物館、右翼が国立美術館。
■考古学博物館
民俗博物館の不運をなげきつつ(だってプロヴディフにつづいてまたしても、である)足を運んだら、なんとこちらは祝日特別料金で無料だという! ローマ時代の遺物が多いのだが、じっくり楽しんだ。
■シナゴーグ
土曜日は異教徒は入れないと断られた。キリスト教の祝日は日曜だけど、ユダヤ教は土曜日なのだろうか? 不勉強なのでよく知らないのだ。いろいろな国の旅行者が来ては断られていた。
外装も美しいので、さぞかし奇麗な内部だったろうに、残念。同行の友人に見せたかったのだ。
買い物
こんなのを買いました。
国立民俗博物館のショップ*1で購入した、テキスタイル絵はがき。素朴。
こういう刺繍の店を、アレクサンダル・ネフスキー教会前の広場で、おばあさん達が広げている。その場でちくちく刺繍しながら、机と椅子の小さな屋台で一日中すごす。そのおばあさんが作った刺繍小物や手編みレースが買えるので、そういうのが好きな向きにはたまらない場所だと思う。
毎朝食でとても美味しかったジャム。野いちごのジャムのような。パッケージがかわいらしいハーブティーはお土産にした。
こちらはルーマニアのテレフォンカード。
食品にしてはあまりにも毒々しい色遣いの、豚肉の缶詰。開封していません。
支出
イコン博物館 4Lv
絵はがき5枚 3.5Lv
焼き物の小さな壷 3.5Lv
スーパー*2 4.18Lv
お土産の国旗バッチ 3Lv
昼食 9Lv
夕食 2.72Lv
9日目
リラの僧院
早起きしてホテル前のタクシーに、リラの僧院までの往復を交渉*1。25〜30Lvで手を打とうと思っていたのだが、結局35Lvでいっか、面倒くさいし、ということになった。
運転手の名前はヴィクトル、娘の写真を嬉々として見せてくれたり、これはダムだ、とか、あれはローマ時代の城塞の遺跡だ、とか話かけてくる。30分ていどで到着したように思う。こんなに近いなら、もっと安くてもよかった、などと銭勘定をする。
リラの僧院は早朝のせいか、まだ団体客もいなかった。自家用車とか私たちのようにタクシーで来た人ばかり。山の朝の冷たい空気とまばらな人影があいまって静謐な雰囲気に満ちている。泊まってもよかったかもなあと思いつつ、朝の雰囲気だけでも結構満足できる。
夢中になって写真を撮りまくる。
僧院の構造はシンプルなので、写真やテレビで見ている以上の発見はない。圧倒されるほど豪華ということも、ばかでかいということもない。やはり山の中に静かに建っている、それを実感できることが気持ちいい。
運転手がそろそろ...と言い出し、まあ1日中いて眺めていても飽きないことは飽きないだろうから、切り上げる。売店で絵はがきとパンフレットを購入。観光客が入れない場所や展示されていなかった宝物などが載っている。日本語版のほうは図版がいまいちなので、ブルガリア語版と同じ図版のある英語版を購入。
ブラゴエフグラッドのアフトガーラまで戻り、35Lvを渡す...と、二人とも細かいのがない。降りてから40Lvを渡すと、「サンキュー」と言ったヴィクトル、車に戻り、おつりを...と思う間もなく発車。お釣りよこせ、こら!
油断していたこちらが悪いが、400円ほどもあるのに。これでソフィア到着まで不機嫌なまま。
ソフィア到着
ソフィア行きのバスは30分だか1時間だか*2ごとにある。あまり気にせずにアフトガーラに来れば大丈夫。ぎりぎりでは座れない可能性あり。
運転手に言って料金を払う。11時10分出発、13時20分にツェントルナ・アフトガーラ到着。
ツェントルナ・アフトガーラにはファストフードや売店がたくさんあるので、ここでお昼をすませていくことに。ここでもピザを食す。
ルーマニアもブルガリアも、ファストフードというとピザ。大きなピザ*3を焼いて、8等分くらいにして*4、1切れいくらで売っている。使っているチーズが自国のものなので、ややクセのある味。私はこのクセのあるにおいが苦手だったが、一般的にチーズが好きな人は大丈夫なようだ。
ホテル
The Rooms
バスステーションから近いだろうということで、ホテルまで歩く。個人経営のこぢんまりしたホテル。
設備はチープだが、少女趣味で可愛らしい。ネットで予約した。
1泊 。朝食付き。紅茶、コーヒー、ハーブティーなどはいつでも好きに飲める。宿の人と仲良くしゃべってれば、おやつも出るかも。
ここのオーナーは若い女性なのだが、その夫がインテリらしい。おそらくだけれど、この一家*5は共産国時代は国外にいたのではないだろうか。弟はイギリスに住んでいたことがある、と言っていたし、夫はアメリカで出会った日本人の話、イギリスにいたときの話、などを聞かせてくれた。
英語に堪能な人はいろいろな面白い話を聞かせてもらえるかも。
壁が薄くて宿泊客が多いと気になるかも。シャワーの水はけもいまいち。共同スペースのテレビの音がそのまま聞こえてきてうるさい時もある。
ソフィア
荷物を置いて落ち着いたらさっそく観光へ。
友人がしつこく両替したいと言っているので*6あちこち銀行をまわってから気づいた。今日は金曜日だけど、独立記念日で休みなんだよ!
ということで、友人は結局持参した日本円の両替を断念。タイやハワイじゃないのだから、日本円を持ってきてはいけない、ということです。
■聖ネデリャ教会
ソフィア中心部に柳に囲まれてどーんと建っている。駅からトラムの1、2、7、14に乗って南下してくるといやでも目につく。滞在中に結婚式を目撃。
■聖ゲオルギー教会
シェラトンホテルの中にある。ということを知っていても入り口をしばし探してしまう。小さな可愛らしい教会。ちょうどぽつぽつ降っていた雨が本降りになり、雨の膜で外界の音が遮断される。気持ちのいい空間。入場料はないが、同時に入った男性旅行者が寄付をしていたので、募金箱に小銭を入れた。
■聖ペトカ地下教会
車がびゅんびゅん走る道路のむこうにかろうじて屋根が見え、入り口はハンバーガー屋とかが並ぶ地下道から。可哀想な教会だが、中はひっそりと控えめ。でも入場料をとるあたり四方の商業主義に浸食されている。*7
■ツムデパート
たいして何もない。海外のブランドと、生活に役立つサービス(写真館とか美容院とか)とかしかない。ここでは買うものも見て楽しいものもない。
■バーニャ・バシ・ジャーミヤ
外で絨毯を洗っている作業の真っ最中。中に入りたいけど入っていいのか躊躇っていたら、作業中のお兄さんと目があう。入っていいか聞いたら快く承諾。入り口のスカーフをお借りして部屋の隅から眺める。ドームの装飾が綺麗。中でくつろいだりお祈りをしたりしているおじさん、おじいさんが10人弱いた。
夜はライトアップされている。首都にある歴史あるモスクだが、内装は東京ジャーミィのほうが豪華かもしれない。
■セントラル・ハリ
ここはエネルギッシュなところ。食料品もお土産品もたっぷりあり、2階と地下1階に手頃な食堂もある。便利。
■夕食
トロップス・カシュタに行ってみる。店員の感じが悪い。警察官二人連れが制服のまま来ていたりして、地元の食堂。安いけどおいしいかは微妙。セントラル・ハリの地下食堂のほうが味も店員もいい。
支出
タクシー 20Lv*8
長距離バス 7Lv
絵はがき 3.1Lv
修道院パンフレット 5Lv
地下教会入場料 2Lv
聖ゲオルギ教会寄付 0.7Lv
パン 0.9Lv
ジュース 0.8Lv
昼食 1.5Lv
夕食 3.45Lv
8日目
バスターミナル
ゆっくり起床。
ソフィアから到着したときに降ろされたのは道路脇で、ターミナルの具体的な位置を把握しないまま荷物をごろごろと引いて歩いていく。13時30分発なので、13時に着けば問題なかろうと考えていたのだが、心配性の同行者の催促で12時30分ごろに到着。
ターミナルは予想以上に広く、ソフィアとは違って、バスの運転手ではなくチケット売り場に行ってチケットを買うシステム。ターミナルが広いとはいえ通路は広くなく、人でごったがえしている。
チケットを買いに行くと驚きの事実が判明。なんとブラゴエフグラッド行きのバスは13時発だという。
昨日バス会社に電話して調べてもらったのは7時30分と13時30分。しかし7時と13時のバスしかないと言う。同行者の催促で早めに来てよかった。
バスに乗り込み、時間を待つ。どんどん乗り込んできて、思いのほか満席になる。
ソフィア−プロヴディフが2時間ほどだから、ブラゴエフグラッドまでもせいぜい3時間ほどで着くかと思っていた。しかし大きな間違い。途中停まらずショートカットしていく高速バスではなく、これは路線バスだったのだ!
街街で停まり、買い物客、通学の学生などが乗っては降りていく。満員で途中からは立ち客でぎゅうぎゅう。
元来バスには酔いやすいのだが、予想以上の長時間と人いきれで、だんだん気分が悪くなっていく。しまった、ちゃんと時間を聞いておけばよかった。ソフィアに戻って、翌日1日観光ツアーとかに参加したほうがよかったかも......と後悔し始める。
結局着いたのは17時30分である。ブラゴエフグラッドの教会とかも見ようかと思っていたが、とてもそれどころではない。
ターミナルから市中心部行きのバスに乗り換え、予約していたホテルに到着。バスは地球の歩き方に乗っている系統でほぼ目的地に到着。他の乗客に聞いても親切に教えてくれる。大学のある街のせいか、通行人の若者に英語はよく通じる。
キーをもらって部屋に入り、ドアの開閉が難儀だとか、トイレットペーパーがないとかやっていると、もう6時近いのだった。
ホテル
Alen Mak
1泊50EUR。
古い建物で薄暗く埃っぽくてぎょっとするが、泊まるだけと考えれば問題ない。
清潔なタオルもたっぷりある。トイレットペーパーがなかったのはご愛嬌だが、言ったらあわててフロントの可愛いお姉さんが2つも持ってきてくれた。
フロントのお姉さんが素直で一生懸命で可愛いのでよし。
ブルガリア人宿泊客はそれなりにいた。食堂もあったけれど、営業しているのかわからない薄暗さ。
歩行者天国
街の商店街は歩行者天国になっている。ホテル横の公園を抜けて歩行者天国へ。
ピザ屋、食料品店も多数ある。日用品など、買い物はすべてここでできるらしい。北東へずっと歩いていくと広場に突き当たる。大きな劇場があり、周囲にはカフェなども。街の人々が休日をゆっくり楽しんでいる。
日が暮れても人が大勢いる。田舎町の商店街だが、アジア人があるいてもあからさまな関心は寄せて来ない。観光地の入り口だから馴れているのか。
ここでピザやフルーツ、飲み物などを調達。晩ごはんにする。
ホテルに戻り、バスで疲れたせいもあって、10時には就寝。
支出
両替 40EUR
ネットカフェ 0.2Lv
長距離バス 10Lv
市内バス 0.5Lv
食料 1.7Lv
宿泊費 25Eur